授与所の前に立ったとき、「お守りをひとつ買いたいのですが」と言いかけて止まってしまうことがあります。
お守りを買う言い方が本当は別にあると聞いたことがあると、その一言が急に重たくなりますよね。お金の呼び方や、場所の名前まで気になってきます。
そこで当記事では、お守りを買う言い方について、神社本庁と神社の案内に書かれている言葉づかいをお伝えしていきます。
言い換えの候補だけでなく、お金・場所・数の呼び方、人のために頼むときの言い方まで並べています。授与所で迷わずに声をかけられるようになります。
- 受け取る側と渡す側の言い方の違い
- お金・場所・数の正しい呼び方
- 人のために頼むときの伝え方
お守りを買う言い方は「受ける」「授かる」「いただく」です

お守りを買う言い方として使われているのは「受ける」「授かる」「いただく」の3つです。神社の案内でも、この3つの言葉で書かれています。
下の表は、受け取る側・渡す側・お金・場所・数の5つの場面について、よく使われる言い方と、それが公式の案内で確認できたかどうかを並べたものです。根拠は神社本庁「お神札、お守り」と赤城神社のお知らせ、村松山虚空蔵堂の案内で、いずれも2026年10月13日時点の記述です。
| 場面 | 使われている言い方 | 公式の案内で確認できたか |
|---|---|---|
| 受け取る側 | 受ける/授かる/いただく/拝受する | 確認できた(神社本庁・赤城神社) |
| 渡す側 | 授ける/分かつ/頒布する | 確認できた(神社本庁・赤城神社) |
| お金 | 初穂料/お納め | 記述が見当たらない |
| 場所 | 授与所 | 確認できた(村松山虚空蔵堂) |
| 数 | 一体/二体 | 記述が見当たらない |
公式に書かれている言い方と、言われているだけの言い方が混ざっているのが分かります。この順に見ていきます。
「買う」と言ってしまっても失礼にはなりません
「買う」と口にしたことが失礼になる、と書いている案内は見当たりません。
東京都新宿区の赤城神社が出したお知らせには、「お札、お守りは売り物ではありません」として、参拝者は「いただく、拝受する、受ける」など、神社側は「授ける、分かつ、頒布する」などの表現をすると書かれています。
続く一文で不適切とされているのは「売買」「販売」という言葉です。お金を払って手に入れる行為そのものを売り買いとして扱う書き方を避けてほしい、という趣旨になります。
神社本庁のお神札とお守りのページも、全体が「受ける」という言葉で書かれています。「買う」「購入」「販売」という語は、このページには1つも出てきません。
つまり、神社の側は自分たちの文章で「受ける」を選んでいるだけで、参拝者の言い方を正す書き方はしていません。
罰が当たるとか、言い直さなければならないという記述も置かれていません。知らずに言ってしまった一言を、あとから気にしなくて大丈夫です。

止められているのは「売買」「販売」という書き方で、うっかり出た一言ではありません。
「受ける」「授かる」「いただく」の使い分け
3つのうち、声に出して使いやすいのは「いただく」です。「お守りをひとついただけますか」で、そのまま通ります。
「受ける」は神社本庁のページで使われている言葉で、文章で書くときに落ち着きます。「新しいお守りを受けます」のような形です。
「授かる」は、神仏の側から与えられたという意味合いが強い言葉です。人に話すときや、手元に来た経緯を説明するときによく使われます。
- 「縁結びのお守りをひとついただけますか」
- 「こちらのお守りをお願いします」
- 「初穂料はいくらになりますか」
「買う」という言い方が広まっている理由
「買う」という言い方が広まったのは、お金と引き換えに受け取る形が買い物と同じに見えるからだと考えられます。
窓口に並んで、値札を見て、代金を渡して品物を受け取る。この手順だけを見れば売店と区別がつきません。
茨城県東海村の村松山虚空蔵堂の案内では、お金を出して受け取るけれども「買い物ではなく、お布施を渡して仏様や神様から授かるもの」と説明されています。手順は似ていても、意味づけが違うということです。
神社や寺院の側が言い方をわざわざ案内しているのは、この見た目の似かたがあるからだと考えられます。
お守りを買うときのお金の言い方は「初穂料」「お納め」

お守りを買うときのお金は「初穂料」または「お納め」と呼ばれます。「値段」「代金」ではなく、この呼び方が使われています。
ただし、神社本庁のお神札とお守りのページには、お金の呼び方も金額も書かれていません。言い方として広く使われてはいますが、公式が定めた決まりとして示されているわけではないという位置づけです。
初穂料と玉串料はどう違うのか
初穂料は祝い事に使える呼び方で、玉串料は祝い事と弔事の両方に使えます。
初穂というのは、その年に初めて収穫された農産物や漁獲物を指す言葉です。収穫の初物を神前に供える習わしが、お金に置き換わって残ったものにあたります。
玉串は神前に捧げるもののひとつで、こちらは慶弔を選びません。授与所で縁結びのお守りを受けるときは、初穂料のほうが素直です。
金額をたずねるときの言い方
金額は「初穂料はいくらですか」とたずねれば通ります。
多くの授与所では金額が札や一覧で示されているので、黙って差し出しても受け取ってもらえます。声をかけるなら「お納めはいくらになりますか」でも通じます。
「おいくらですか」と言ってしまったとしても、止めている案内はありません。言葉より、落ち着いて渡すほうが大切にされています。
のし袋の表書きの書き方
のし袋の表書きは「初穂料」または「御初穂料」です。
お守りを受けるだけなら、のし袋を用意する場面はほとんどありません。必要になるのは、良縁祈願などのご祈祷を申し込むときです。
水引は、婚礼にあたるものならあわじ結び、一般的なご祈祷なら蝶結びでも差し支えないとされています。初穂料は慶事に使われる呼び方で、弔事では避ける言い方になります。
社によって申し込み方や受付の形が違うので、金額と包み方は行く前に公式ページで見ておくと確かです。
神社でお守りを買う場所の言い方は「授与所」

お守りを受ける場所は「授与所(じゅよじょ)」と呼ばれます。村松山虚空蔵堂の案内に、授かる場所・取り扱う場所の呼び名として書かれています。
読み方が分からないまま使うと言いにくいので、声に出すときは「お守りのところ」で十分です。案内板や公式ページの表記として覚えておけば足ります。
- 授かる場所の呼び名を「授与所」と案内
- 護摩木札・交通御守は郵送の受付あり
- 真言宗の寺院のため、お金は「お布施」
授与所と社務所の違い
授与所は授与品を扱う窓口で、社務所は神社の事務を扱う建物です。
小さな社では社務所の窓口がそのまま授与の受付になっていることも多く、分かれていない場合もあります。どちらに声をかければよいか迷ったら、人がいる窓口で大丈夫です。
ご祈祷の申し込みは社務所、お守りや絵馬は授与所、という分かれ方が一般的だと考えられます。
「販売所」「売り場」と言わない理由
「販売所」「売り場」が避けられているのは、「販売」という語そのものが不適切とされているからです。
赤城神社のお知らせでは「売買」「販売」は不適切と書かれています。場所の名前にその語が入れば、同じことを言っていることになります。
そのため、公式ページでも「授与所」「頒布所」といった表記が選ばれています。どちらも渡す側の動詞から来た呼び方です。
神社の側がお守りを渡すときの言い方は「授ける」「頒布する」

神社の側がお守りを渡すときの言い方は「授ける」「分かつ」「頒布する」です。受け取る側の言葉とは、はっきり分けて使われています。
この使い分けを知っておくと、公式ページの文章が読み取りやすくなります。自分が参拝者として話すときは、渡す側の言葉を使わない形になります。
渡す側が使う3つの言い方
渡す側の言い方は「授ける」「分かつ」「頒布する」の3つです。
「授ける」はもっともよく見かける言い方で、「授与」「授与所」もここから来ています。「分かつ」は分け与えるという意味で、数をそろえて配る場面に合います。
「頒布する」は広く配るという意味の言葉で、文書に向いた硬い言い方です。いずれも、お金を受け取るかどうかとは別の軸の言葉になっています。
窓口の名前が「授与所」になっているのも、この「授ける」から来た言い方です。参拝者が「授与してください」と言うと渡す側の立場で話すことになるので、受け取る側の「いただく」に替えるほうが自然になります。
神宮大麻だけ「頒布」と書かれている理由
神宮大麻に「頒布」が使われているのは、各家庭へ行き渡らせる仕組みを指しているからだと考えられます。
神社本庁のページでは、お守りやお神札を「受ける」と書きながら、伊勢神宮の神宮大麻については氏神さまを通じて各家庭に頒布されると書かれています。
神宮大麻は、「お伊勢さん」「お祓いさん」とも呼ばれ、天照皇大神宮の神号に神璽が押されたお神札です。窓口で一人ずつ渡すものではなく、全国へ配られていくものなので、言葉も配る側の動詞になっていると読めます。

公式ページの動詞を見れば、受け取る側か渡す側かが分かるようになっています。
お守りの数え方は「一体」「二体」です

お守りは「一体」「二体」と数える言い方が使われています。「一個」「一枚」ではない数え方です。
ただし、この数え方は公式の案内で確認できたものではありません。言い方として広く使われているもの、という扱いになります。
神様は「一柱」「二柱」と数える
神様を数えるときは「一柱」「二柱」です。
授与品が「体」、神様が「柱」と分かれているので、同じ社の話をしていても単位が切り替わります。御祭神が複数まつられている社の説明を読むときに出てきます。
自分で言う機会はほとんどありませんが、知っていると公式ページの由緒が読みやすくなります。御祭神が二柱と書かれていれば、二つの神さまがまつられている社だと分かります。
公式の案内に数え方が書かれていない
数え方について書いている公式の案内は見当たりません。
神社本庁のお神札とお守りのページには、数え方も、授与所という言葉も、初穂料の金額も出てきません。書かれているのは、おまつりの仕方と、年末に納めて新しいものを受けるという流れです。
つまり「一体と数えないと間違い」という決まりがあるわけではありません。使えば丁寧に聞こえる言い方、という受け止めで十分だと考えられます。
複数のお守りを持つことについては、八百万の神はそれぞれのご神徳をもって協力して守ってくださるので、たくさん持っていても神さま同士がケンカする心配はいらないと書かれています。お守りを違う神社のものと複数持つときの作法は別の記事にまとめています。
人のためにお守りを買う言い方と頼み方

人のために受けるときは「代わりにいただきたいのですが」と伝えれば通ります。代理で受けることを止めている案内はありません。
伝え方で変わるのは、受け取る相手のために祈祷してもらえるかどうかです。黙って受けるより、ひとこと添えたほうが得られるものが増えます。
代理のときに授与所で伝えること
代理で受けるときは、誰のために受けるのかを授与所で伝えます。
村松山虚空蔵堂の案内では、代理で授かる場合に授与所で伝えると、受け取る人のために祈祷してもらえることもあると説明されています。
「母に渡したいのですが」「受験する娘のためにいただけますか」のように、誰に渡すのかだけ添えれば十分です。名前を告げる必要があるかは社によって違うので、聞かれてから答えれば大丈夫です。
郵送で授けてもらうときの言い方
遠方のときは「郵送で授けていただけますか」とたずねる形になります。
郵送で授与しているところもあり、村松山虚空蔵堂でも護摩木札と交通御守の郵送を受け付けていると案内されています。
ただし、すべての社寺で受け付けているわけではありません。公式ページに案内が無ければ、電話で聞くか、行ける日まで待つことになります。
旅先から持ち帰って渡すときの言い方
持ち帰って渡すときは「授かってきたよ」と伝えるのが落ち着きます。
「買ってきた」と言っても失礼にはなりませんが、受け取った相手が土産物として受け止めやすくなります。どこの社のものか、何のご神徳で知られる社かを添えると伝わり方が変わります。
渡し方や持ち方で迷ったときは、恋愛成就のお守りの持ち方の記事もあわせてご覧ください。
お寺でお守りを買う言い方は神社と少し違います

お寺ではお金を「お布施」と言い、神社では「初穂料」と言い分けます。「授かる」という動詞は、どちらでも使えます。
言い方をまとめた説明を読むと、この2つが混ざっていることがあります。寺院の案内に書かれた言葉を神社の窓口でそのまま使うと、ずれてしまいます。
寺院では「お布施」と言い分ける
寺院でお金を指すときの言い方は「お布施」です。
村松山虚空蔵堂は真言宗の寺院で、その案内では「お布施を渡して仏様や神様から授かるもの」と書かれています。初穂料という言葉は使われていません。
初穂は収穫の初物を指す言葉なので、神前に供える流れから来ています。寺院には当てはまらない言い方だと考えられます。
「護符」という呼び方
寺院では「護符」「御符」という呼び方も使われます。
村松山虚空蔵堂の案内では、祈祷された護符や御札が袋に入っていることから、この呼び名があると説明されています。神仏の加護がこもった縁起物という位置づけです。
袋の中身を取り出してよいのか気になる方は、お守りを袋から出すときの扱いの記事を参考にしてください。
- 牛込総鎮守
- 電話 03-3260-5071(9時〜17時)
- 「売買」「販売」は不適切とお知らせに明記
お守りを買うタイミングと参拝の順番

参拝の前でも後でも、どちらが正しいと決めている案内はありません。社の案内に順番の指定は置かれていません。
どちらにも理由があるので、両方を並べたあとで、私がどう思っているかもお伝えします。
参拝の前に受ける考え方
参拝の前に受けておくと、御神前で一緒にご挨拶ができます。
手元に持ったまま拝礼すれば、お守りを受けたことも含めて伝えられるという考え方です。混雑する社では、先に窓口を済ませておくほうが動きやすいという利点もあります。
初詣のように列が長い日は、この順番のほうが現実的だと考えられます。
参拝のあとに受ける考え方
参拝のあとに受けると、ご挨拶を済ませてから授与所に向かう流れになります。
先に御神前へ行き、願いごとを伝えてから授与所に寄る形です。何を願ったかが決まっているので、どの種類を受けるかも選びやすくなります。
授与所が閉まる時間には気をつけてください。社によって受付が17時までのところがあり、福島稲荷神社も9時から17時の受付と案内されています。
私はあとに回すほうが落ち着くと思っています
私はあとに回すほうをおすすめします。願いごとを言葉にしてから選んだほうが、迷わずに済むからです。
そう思う理由は、どの社の案内にも順番の決まりが置かれていないことです。決まりが無いなら、選びやすさで決めてよいことになります。
ただし、受付の終了時間が早い社や、初詣のように列が長い日は先に受けるほうが確かです。拝礼のあとに窓口が閉まっていたら受けられないので、ここだけは時間を先に調べておいてください。

受付時間だけは社ごとに違うので、行く前に公式ページで見ておくと安心です。
お守りを買う言い方に関するよくある質問

言い方について聞かれることの多い点をまとめました。
お守りを買うことの言い換えは何ですか
「受ける」「授かる」「いただく」のどれかに言い換えます。神社の案内には、この3つに加えて「拝受する」も挙げられています。
窓口で声に出すなら「いただけますか」がいちばん使いやすいです。
おみくじを買うときの言い方はどうなりますか
おみくじは「引く」と言います。お守りと違い、数を受け取るものではなく、その場で一枚を選ぶものなので動詞が変わります。
引いたあとの扱いはおみくじを結ぶか持ち帰るかの記事にまとめています。
お守りを人に買ってあげるのは失礼ですか
人のために受けることを失礼としている案内は見当たりません。代理で授かる場合に授与所で伝えると、受け取る人のために祈祷してもらえることもあると案内されています。
渡すときに、どこの社のものかを添えると伝わりやすくなります。
お守りを買う言い方を英語ではどう言いますか
英語では receive a charm のように「受け取る」側の動詞を使うのが近い形です。buy を避けるという点では、日本語と同じ考え方になります。
訪日の方に説明するときは、売り物ではないという一点だけ伝われば十分だと考えられます。
古いものを返すときの言い方は何ですか
返すときは「納める」と言います。神社本庁のページにも、年末に神社に納めてお焚き上げしてもらい、新しいものを受けると書かれています。
願いが叶うまで身につけていても差し支えないとも書かれているので、1年で手放さなければならないわけではありません。
すでに「買う」と言ってしまったらどうすればいいですか
すでに「買う」と言ってしまっていても、言い直す必要はありません。言ってしまった一言について、やり直しを求めている案内はどこにも置かれていません。
次からは「いただけますか」に替えれば十分です。
まとめ|お守りを買う言い方は「受ける」「授かる」
当記事では、お守りを買う言い方について紹介しました。受け取る側は「受ける」「授かる」「いただく」、渡す側は「授ける」「頒布する」と分かれています。
- 窓口では「いただけますか」でよい
- お金は「初穂料」「お納め」
- 場所は「授与所」
- 数は「一体」「二体」
- 不適切なのは「売買」「販売」
「買う」と言ったことを失礼としている案内はありませんでした。ぜひ当記事を参考に、授与所で落ち着いて声をかけてくださいね。

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